過去拍手詰め合わせ。会話文のみです。ジャンルばらばら。


元就さま。

「元就さま!」 「ん。何ぞ」 「いえ、何ぞ、ではなく執務にお戻りください!」 「我に指図する気か」 「指図も何も、あなたが酔った時にはそうしろと……」 「我は、まだ、酔ってなどおらぬわ」 「いやいや、もう十分酔ってますから。もう少し控えて下さい」 「酔ってなどおらぬと言っておるではないか、うつけ者めが」 「う、うつけ者って」 「うつけ者だ。……やはり我を理解できるものなど、われ一人しかおらぬ」 「いえいえ、元就さまも十分分かってないじゃないですか。完全に酔ってますって」 「何度、言わせる気だ。我は、酔ってなど……おらぬと、言って……すー」 「……元就さま?」 「すー、すー」 「言わんこっちゃないですって。寝ちゃっているじゃないですか―」
辰馬。
「おい毛玉ァァァ!」 「なんじゃ、おんし、やっとわしに愛を……」 「はっ倒すぞてめえ! ちょっと、私の簪どこやったの!?」 「簪? あの、アレか? 金時にもらったとかいう……」 「そう! 銀時にもらったやつ。あれ可愛くて気に入ってたの! 陸奥さんからあんたが持ってんの見たって聞いたんですけど」 「……し、知らんのー」 「ねえ、ちょっと本当!? 大事にしてたんだってば!」 「な、なして涙ぐんじょる!? 持っとる、持っとるけー泣くな!」 「やっぱり持ってんじゃないの! なんでこんなことしたのさ」 「おんしがそれをいつも離さんでまっこと大事にしとるけー、その、」 「なによ?」 「金時に貰ったもんをいっつも身に付けとるきー! やきもちじゃけー、格好つかん!」 「やきもち?」 「分からんでもよか。そん代わり、わしの贈ったもんも身につけてくれ」 「……? いいよ」